スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

- | | - | -

<< 解散総選挙 | main | Freedom Dreamer レビュー >>

タブー意識の希薄さ

 今回はちょっと毛色の違う話題をば。
 本題を書く前に念を押しておくが、私は(そこまで熱心なファンではないにせよ)水樹奈々という歌手は好きだし、この曲自体も(メタルチックな曲に対する趣味はどうあれ)良い曲だと思っている事はご理解いただきたい。
 それを差し引いての話だと言うことを念頭に置いて読んでいただきたい。儲の方々は読まずに「戻る」を押した方が精神衛生上よろしいかもしれないが。
  

 さて、早速だが先日発売された新アルバム、"IMPACT EXCITER"のリードトラック「ミュステリオン」のPVをご覧いただきたい(既に見ている人の方が多いだろうが)。
 断言してしまえば、それなりに教養のある人なら「これは不味いのでは?」という疑問が見た途端に頭をよぎったことだろう。
 言うまでもなく、このPV全体が「あるタブー」に余りにも無頓着すぎるからだ。
 
 多くの日本人にはなじみの薄いことかもしれないが、欧米(特にヨーロッパ)においてはナチスドイツに関わるモノは極めて強いタブーとして扱われている。実感が沸かない人は日本における十六条旭日旗や「神風」という単語に対するマイナスイメージがさらに強くなったようなものだと思って貰えればいいと思う。
 ナチスの功績を称えたり、罪を過小評価することは言うに及ばず、批判的に扱う場合であってすらハーケンクロイツの使用はできない等は有名だろう。まあ、反ナチス法等というふざけた法律の是非はまた別の機会に扱うこととしても、少なくとも欧州の人々はナチスの一件をある意味トラウマのように感じていると考えるべきだろう。
 その中で、冗談でナチスのコスプレをしてみたり、右手を高く上げる独特の敬礼(尤も、アレは元々「ローマ式敬礼」であってナチスではない訳だが)をやったり、ファッション感覚でナチの真似事をしてみたりすると白眼視されること請け合い(というか、反ナチス法のある国では犯罪である)な訳だ。日本のスポーツ大会で行われる選手宣誓ではあの敬礼法が標準的に行われているため、東京五輪では批判されたこともあったほどだ。
 
 それらを踏まえた上で、このPVを見てみよう。
 誰がどこをどう見ても「ナチスをイメージしている」と言えるだろう。
 壇の後ろに掲げられた赤地に白丸、十字をアレンジした黒い印章の大きな旗は当時のヒトラーの演説風景を彷彿とさせるし、そもそも黒い軍服風の左袖に旗と同じ腕章を巻くスタイルもSSの制服そのままだ。
 
 と、こうして書いていくと「全てのナチをイメージした作品がダメだというのか」という反論もあるだろう。
 そんなことはない。
 少なくとも私は反ナチ法は間違っていると思うし、ナチスをナチスとして、歴史として扱う作品にハーケンクロイツを出してみたりローマ式敬礼をさせてみたりすることにはなんら問題はないと思う。
 音楽のPVにしても、例えば「反戦」とか「平和」「反独裁」のような、または逆に「ナチ賛美」や「移民排斥」といったテーマの楽曲に対して「意図的に」ナチスを扱うことには問題はないだろう。何故なら、その作品におけるナチスはナチスでなければならないからだ。
 だが、今回のPVはそうではない。歌詞ひとつ取ってみても、ある意味「いつもの奈々様曲」だし、ナチスをイメージする必要性がどこにもないわけだ。
 
 無論、それでも監督やプロデューサーが作品として何かを表現するために、ナチスをわざと扱ったということもあり得るだろう。
 だがそうであるならば、音楽のPVである、という主たる目的を忘れているとしか言えないだろう。PVとは、あくまでも販促や歌・歌手の宣伝のためのツールであって、映像制作者のメッセージを出すための作品ではないからだ。
 このような無駄な軋轢を生みかねないものを扱う事はデメリットこそあれメリットはないのではないだろうか。
 事務所やプロデューサー、監督には猛省を促したい。
 
 誤解を恐れず言うのであれば、水樹奈々本人も脇が甘いというか認識が甘いと言わざるを得ないだろう。
 10代の右も左もわからない小娘ならともかく、既にいい歳の、それもそれなりに売れて影響力のある立場の人間だ。自分が今撮影しているモノがナニか、ということを知ることはできるわけだし、それで何も問題を感じていないのだとしたらそれが最大の問題だ。
 特に、彼女は海外からも評価を得ている人である以上、海外にこのPVが露出することを考えずにやっていい訳がない(倫理的、道義的な問題以上にプロモーションとしてまずいわけだ)。
 
 周囲の人間含めて認識が甘いのだとしたら、それを諫められるのは彼女を応援しているファンをおいて他にない。
 良識あるファンが声を上げること、そして当人達がそれを素直に受け入れることを祈ろう。
 


JUGEMテーマ:水樹奈々 
↓ 気が向いたらクリック↓
 人気ブログランキングへ

音楽 | 11:20 | comments(1) | trackbacks(0)

スポンサーサイト

- | 11:20 | - | -

Comment
2016/11/06 9:41 PM, ネイネイ 
過去の記事ですが
失礼します。

2016年11月現在
このナチス表現問題で某アイドルグループが炎上しています。
かなり大きな問題にまで発展しました。
管理人様が警鐘を鳴らすまさにそのままに…

数年も前に日本でのナチス問題の扱いの軽率な状況を憂う方が居た事実
とても興味深い発見が有りました。

是非管理人様には今回起こったアイドルのナチス軍服問題を切り込んでいただきたいです。
Add a comment









Trackback